海外で日系企業で働くと、どこの会社でも多かれ少なかれ駐在員と現地採用という区切りが明確にあるために、見えない壁を感じることが少なくありません。
外資系企業では駐在員と現地採用は単に契約形態の違いとみなされ、条件などの間に大きな隔たりがないこともありますが日系企業では圧倒的に駐在員のステータスが有利だとされています。
外資系だと、入ったポジションベースで物事が進みますが、日系の会社だと「駐在員」か「現地採用」かという括りが毎回話題に出てきます。
今回は、実際に海外の日系企業で働いた際に、どんなところで「駐在員」と「現地採用」の差を感じるかポイントをまとめてみました。
現地採用は昇進のチャンスが少ない
現地法人の社長やマネージングダイレクター、部長や課長職はほとんど駐在員の日本人マネージャーが占めています。
ポストがあったとしても、現地採用で昇進しリーダー職に任命してもらえるのはごくわずかです。
最初から、昇進のチャンスが全くないとわかっている仕事場で働くというのはモチベーションを維持するのがとても難しいことです。
10年後、20年後の自分は、この会社の同じポジションで同じことをやっているのではないかという
不安を持つ人もいるようです。
仕事の振り分けが異なる
日々の業務の中で感じる差はまさに仕事の振り分けです。
個々のちょっとした業務においても、大事な仕事は駐在員、雑務は現地採用という見えない仕分けがされている場合もあります。
例えば、重要な会議に駐在員のみ呼ばれたり、案件メールのccに現地採用は入れてもらえなかったりすることがあります。
駐在員は駐在員の任務を背負ってやってきているのであって、責任感をより感じているのかもしれませんが、現地採用であってもやる気を持って入社している場合、重要な議論に入れてもらえないとがっかりしてしまう人も少なくありません。
最近は、割り切って働いている人も多くいるみたいで、昇進をあえて望まない人もいるそうですよ。
駐在員には手厚い住宅手当と車手当
日系の会社では駐在員に手厚い住宅手当が出ていることが多く、バジェットを決められてその予算内で抑えられる家賃のアパートに住むという形をとっています。そのため、例えば駐在員が月の家賃2000ドルのアパートに住んでいると、住宅手当として2000ドル程度給与に上乗せされている事が予想ができてしまいます。
現地採用の給与で月の家賃2000ドルのアパートに住むことは難しいので、住んでいるアパートの話をしただけで給与条件などにも差を感じることがあります。
日系企業の現地採用の人の給与はそれほど高くないってことですね。
外資系だと現地採用などの契約に関わらず、ポジションと能力に応じた待遇をしてくれるところも多いのが利点です。
また外資系は住宅手当は給与に組み込まれているところも多く、手当として分かれてないことが多く、駐在員がいくら手当をもらっているのかわかりづらいですね。
確かに日系の福利厚生の手厚さは有名だけど、駐在員ではないと意味がないんですね。
さらに、車手当や日本への一時帰国手当など、会社によりますが駐在員にはさまざまな手当が付帯されるため、生活レベルの面で現地採用の方とは大きな違いを感じることがあります。
駐在員はグループ内のネットワークが広い
駐在員は日本本社から派遣されているため、日本で元働いていた部署の上司や同僚、他部署の人間関係、人事部など本社機能をしっかりと把握しています。また、日本から同様に他の外国へ派遣された同僚とも知り合いの場合が多く、グループ内でのグローバルコミュニケーションもスムーズに行える場合がよくあります。
これが、駐在員を派遣している会社側のメリットですが、その間に現地採用の人が入っていくには関係構築などに時間がかかるでしょう。
駐在員は海外にいても日本目線
駐在員の方は日本から派遣されているミッションを背負っているため、日本の企業の海外拠点であっても日本視点で物事を考えることが多々あります。
日本から依頼された仕事を裁かなくてはいけない多忙な時期に、現地で雇用された外国人の休暇の取り方に理解が示せなかったり、残業禁止の雇用形態にある現地採用の人と残業してでもまずはタスクを終えることをスタッフに期待する駐在員との間の軋轢は、よく聞く話です。
国も異なり雇用形態が異なるので、仕事に対する考え方も変えていかなくてはいけないということですね。
まとめ
日系企業の海外拠点の組織構造は、外国企業とは異なり、「駐在員」と「現地採用」で区切られることがよくあります。
その区切りは仕事の振り分けから雇用形態にまで及んでおり、日々働いていて様々な場所で違いを感じることがあります。
そのちょうど良い潤滑油として活躍することができれば良いですが、以上のような状況を踏まえて転職をする前に自分にとってどんな働き方がベストかまずは考えてみることが大切ですね。
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