日系企業と外資系企業には組織内のルールや仕事の仕方において多くの違いがあります。
また日本では一括りに『外資系』という言い方がありますが、海外においては、米系や英系、ドイツ系やフランス系、中国系やアジア系でもそれぞれやり方がだいぶだいぶ異なってはきます。
一方で、当然日本企業と言っても、企業内カルチャーによって異なる方針があるので、より外資系に近い日系企業もあると思います。スタートアップに至っては、国を超えて別の枠組みになりつつあります。
個々の企業間の違いはあるにせよ、今回は、海外に転職を目指している人が、海外の日系企業と海外の外資系企業では一般的にどんな違いがあるのかを知るための、大枠のところを紹介します。
組織替えや人の異動がとても早い
外資系は日本の企業よりも、より短期的な視野でスピーディーに物事を変化させていく特徴があるため、組織の変化(リストラクチャリング)が頻繁にあります。新しい部署が必要だと思えばすぐに作りますが、いらないと思えばすぐに閉鎖します。
また、リストラに伴う解雇もよくありますが、不要だと思った部署をカットしたかと思えば、また必要になったので同じ人を呼び戻す、なんてこともあったりします。
スタッフ自らの異動も多く、2−3年したら転職していく、ということも多くあります。
転職理由は様々で、もっと良い条件提示があったから、社内のリストラにあいそうだから、上司と合わない、前の上司に呼ばれたからついていく、など個人によって異なります。
転職に関するしがらみは全くなく、転職しても以前の会社の同僚や上司とは良好な関係を作ります。
日系の会社に勤めている古い考えを持っている人の中には、「転職したらあっち側の人」とまるで敵になったかのような対応をする人もいるようですが、そういう概念は全くなく、皆個人として良好な関係を築いています。
長い人生、昔の同僚とまたどこかの企業で合流することもありますし、企業だけが自分のアイデンティティーではない、ということからきています。
パフォーマンスには厳しい
パフォーマンスには厳しいですが、部署と業界によります。
金融業界の営業職であればきちんと営業成績をおさめることが求められます。言い換えると、目標の営業成績に達成しなければ、クビが待っています。1四半期でクビはないかもしれませんが、1年、2年と成績が振るわないと継続していることは難しいでしょう。
日系企業でも営業成績が振るわないと怒られたり別の部署に飛ばされたりすることがあるかもしれませんが、怒られるという事前シグナルがないままクビになることもよくあります。別の部署に飛ばされるという延命治療も外資系では少ないです。
一方で、オペレーションやクライエントサポートのような数字でパフォーマンスが測れないような部署は、仕事の正確性や上司や同僚との関係、及びその部署にとって必要かどうかなどが総合的に判断されます。営業職よりはすぐにクビになることはありませんが、常に必要とされる存在でいることは大事です。
勤務中の雰囲気はカジュアル
パフォーマンスは厳しいものの、勤務中の雰囲気や上司との関係は極めてカジュアルで、週末何をしたか話したり、コーヒーブレイクを気軽にできる雰囲気がある会社も多くあります。
日系の会社だと、形式的なことが大事であったり、上司に気軽に話しかけられないということもありますが、海外の外資系では外国人上司に仕事上の問題点などもフラットに話せる環境がある場合が多いです。
仕事の裁量が多い
海外の外資系企業では、日本のように手取り足取り教えてくれるということはなく、さらっと説明されて「ではこれお願い」と言われるともよくあります。
ひとえに海外の場合の経験者の転職が多いということですが、個人のやり方を尊重してくれるため、目標さえ達成できれば一挙手一投足にまで口を出してこないという特徴があります。
日系よりも上司や同僚との関係が大事
日系企業では、部署のみんなでランチに行くことが暗黙の了解になっていたり、飲み会を断りづらいなどという文化があるくらい、同僚や上司との関係を良好に保つということに力をいれていたようですが、外資系では飲み会というのはありません。
好きなもの同士でランチに行ったりたまにアフタ−5に飲みに行くということはありますが、部署で頻繁に行ったり、義務的に行くものは何もありません。
その代わり、飲み会に頼らないで、上司や同僚と良好な関係を築くことはとても大切です。競争の激しい業界であっても、自分さえ良ければ良いというワンマンプレーはチームを乱し組織の空気を悪くするとみなされたり、ソフトスキルが低いとみなされることがあります。
定期的に、他部署の人や上司・同僚に話しかけたり、仕事に意欲を見せたり、ポジティブなコミュニケーションをとるというのは、海外の外資系ではとても大事なことです。
まとめ
日系と外資系企業は海外であっても異なる部分が多く、企業文化は日々の働き方や心の持ちようにまで影響してきます。 自分がどのような働き方をしたいかを見据えて、転職活動をすることが望ましいでしょう。
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