メンター不在の海外ミッドキャリア戦略

転職

海外でキャリアを構築しようとする時にぶち当たる壁が、「メンターがいない」ということだと思います。

これからヨーロッパでキャリアを構築しようとする場合には、ある程度道を作ってくれた先人の情報をインターネットで得ることができますが、現在海外で勤務して数十年経っていて先行きの見通しが立たないという人に「モデルケースがいない」という問題があります。

もしかしたら先人がいたのかもしれませんが、インターネットに出ている情報も少なく、自分と似たようなキャリアを歩んだ人がいない気がする、ここから先どのように年齢とともにキャリアを重ねていけばいいのかいまいちイメージがつかない、というケースはよくあります。

外国人の友人のキャリアがお手本になるケースもありますが、多国籍文化ならではの悩みというのもありますね。
さらに女性は結婚・出産・子育て・介護などの問題も同時に身近に感じられていくので、ミッドキャリアの構築は検討することがたくさんあります。

メンターがーいない時に、どんな方法で今後のキャリアを立てていけば良いか、ということに基本的には答えはありません。ただ、自分一人で頭を抱える前に実践してみて欲しいことは幾つかあるので、それをここに紹介したいと思います。  

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将来のプランを徹底的に紙に書き出して行う

もやもやした悩みがある場合、実は何に具体的に悩んでいるのかが自分でもわかっていないことがよくあります。そういう時に、頭の中で考えるだけでなく、紙に書き出すという方法がとても効果的です。

 

頭の中で考えるだけだと、細かいところをないがしろにしたり、頭の中で勝手に修正したりしてしまうので、紙に書いて客観視することが大事です。

例えば、「今後この仕事を続けていくべきか」という悩みがあるとしたら、書き出すべきポイントは  

  1. 現在の仕事のPros/Cons(利点・不利点)
  2. 現在の仕事を続けていった場合の65歳までのキャリア進路
  3. 現在の仕事を辞めた場合のオプションとその65歳までの進路

の大枠二つがあります。

続けていった場合 →一生この仕事→65歳までは安泰→リタイア後もこの町で生きる

というパターンが一番安定的なパターンですが、

例えば 現在の仕事を続けていくと45歳くらいで早期退職になるかもしれない、そこからの第二キャリアが難しい場合

→現在転職して、65歳まで安泰な仕事に就く

とすると、おのずと「転職活動」とやることは決まってきます。

または、

→45歳まで現在の職場で働き、45歳で転職をめざす

とすると、「資格取得」とやることが決まってきます。

現職場でお給料が足りないので出世して長く勤務したい、と言う場合も、リーダーシップスキルや能力向上のためのコースを受けたりと、改善すべき点がおのずと見えてきます

自分がいる国で紹介されているキャリアプランを見直してみる

  多国籍文化の中にいる場合、一般に推奨されているようなキャリアプランは日本基準だけではなく、自分がいる国の基準も関係してきます。

例えば、ある日本の会社では、忠実であることと勤続年数や年齢が重視されていますが、海外の国では若くても修士号や博士号を持っていることや一定の資格を持っていることが推奨されます。

自分が現在日本の企業文化基準の水準しか満たしていないのであれば、自分がいる国で推奨されている資格やレベル感はどの程度のものなのか、そこからどのようなキャリアアップが期待できるのかを見直してみましょう。

語学に問題がなければ、海外にいる外資系リクルートエージェントと一度話してみることもオススメです。

自分が目標にしたい要素を持っている人を5人書き出す

「自分は、自分の周りにいる5人の人の平均である」というのはよく言われることで、身近な人間関係の影響というのは多かれ少なかれ出てきます。

モデルケースがいないというのであれば、日本人・外国人問わず、自分が「この人のキャリアのこんな部分羨ましい」と思う要素がある人を5人選び、良い部分を以下のように書き出してみましょう。

  1. 友人のAは35歳の出産を機に在宅勤務が認められる会社に入り仕事とプライベートのバランスを取っていて羨ましい
  2. 知り合いのBさんは最初は長期にわたる功労が認められて、45歳になりある国際的な部署を任せられて部長に就任して何か国語も操り活躍しているようだ
  3. セミナーで知り合った40歳の営業マンCは、結果さえ残せば自分自身の時間を自由に使える勤務をしていて羨ましい
  4. 大企業の一スタッフとしてストレスもなく安定的に65歳まで企業勤務が出来る人が単純に羨ましい

1のケースであれば在宅勤務ができないか検討できますし、2のケースであればより国際的な環境で活躍する場を探し、3の場合ではかつ自由な時間管理ができる勤務体系、4の場合であれば65歳までは安定収入が得られる形で働きたいということになります。

すべてを一度に叶えることは難しくても、それぞれに優先順位をつけて、何から実践できるようにしていくかを検討します。 この際、常にその人たちを念頭において、「自分自身に影響を与え続ける」ということが大事になります。

人によって「こういうキャリアいいな」と思うポイントは異なりますが、国際環境下ではさらに色んな要素が入り組んでくるため、様々なキャリア構築をしている複数の人の良い部分だけをつぎはぎして自分のものにする、という作業が必要になります。

まとめ

海外では、「日本人の海外キャリア構築モデル」のケースの絶対値が少なく、どのように進んでいったら良いかわからない人も少なくありません。

様々なキャリア構築パスがある中で、モデルケースを自分の情報として得ながら、自分自身の希望もさらに満たしていける方法を探していくことが必要です。  

 

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