人間関係の密度や関係性を英語で表す時によく使われる言い回しに
プライオリティ(”priority”)とオプション(”option” )というのがあります。
言葉のもともとの意味は、プライオリティは優先事項、オプションは選択肢という意味です。
プロジェクトや事象に対してよく使う言葉ですが、英語では人間関係でも頻繁に使います。
使い方としては、
“You are my priority.” (=君が最優先だよ!)なんて甘い言い方や、
“She is always an option!” (=彼女はいつも付き合う人にとって二番目の女だね)なんて
悲しい表現をしたりします。
『自分を大事にしよう』という文脈で、
Don’t let people become a priority in your life when you’re just an option in theirs.
(あなたが人々の「選択肢」に過ぎないとき、彼らがあなたの人生の「優先事項」にならないようにしよう)
と言ったりもします。
不平等な友人関係に時間を割いても意味がないよ、ということですね。
友達からのドタキャンが相次いだり、なんか大事にされてないなあ〜と思ったら
大抵オプション扱いされていると思って良いでしょう。
昨今はそういう人間関係が増えているのも感じ取れ、そんな悩みに関する記事も多くあるようです。
英語サイトにおける心理学の記事などでは、自分をオプション扱いをする友人は有害だとされ、意味もなければ関係を切ることも検討しようという流れで書かれていることが多くあります。
確かに何度もドタキャンされたら信用できないし、もう約束したくなくなりますね。
そういう人間関係が増えると、社会的にも殺伐とした人間関係が増えそう・・・
全員が全員のプライオリティでいることは不可能ですが、せめて自分の周りにいる大事な人たちには、自分もプライオリティ扱いしてもらいたい、というのはよくある感情です。
また、雇用関係においても、今までは入った会社に絶対の忠誠を誓い、リタイヤまで面倒を見てもらうという心意気であった人も多いと思いますが、これからの時代は、
『個人の時代』
と言われ、会社への忠誠が薄れていくことが予想されます。
自分の起業を軸にして、オプションとして起業と起業の合間などに従業員として会社勤めをしようという動きも増えるのでは・・と感じることもあります。
また、入った会社でクビになったり嫌なことがあって退社したくなったり、倒産した時に備えて、あくまで現職に対する気持ちはオプションとして持っておくという心構えは多くの人に見られる現象です。
オプションという生き方は、情報や選択肢が多く、人との繋がりが簡単に追加削除できる昨今では
仕方のない形であり、便利な形であり、新しい形として迎え入れられる”ドライな関係”なのかもしれません。
また、選択肢とされた人にとって大事にされてないなあ、失礼だなあなどの実害が感じられるほどのことではなければ機能する類の「高度なオプション」という方法もあるでしょう。
『親しき中にも礼儀あり』と古来からの諺で言いますが、
殺伐とした人間関係や信頼失墜などを防ぐためにも、
『オプションの中にも誠意あり』を期待できれば・・・と思う今日この頃です。
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