脱力のすすめーヨーロッパ的働き方の根底にあるもの

転職

日本人がヨーロッパ人の働き方から学ぶことはとても多いです。

一般的には、『個人主義』『ワークライフバランス』『効率的働き方』などと表現されますが、実際のところ、ヨーロッパでどのような考え方に基づいてどのような働き方をしているのか、ということは正確には伝わっていないと思います。

当然、業界や会社にもよるので、日本よりもあくせく頑張って働いているヨーロッパ人もいますが、一般に世の中や会社の中を流れている空気感として、どんな働き方が主流であるか、をかいつまんでご紹介したいと思います。

ヨーロッパと言っても国ごとに違いますが、特にイギリスとヨーロッパ大陸は働き方が異なりますね。ここではヨーロッパ大陸の特性になります。
アメリカはニューヨークなどの大都市ではさらにワーカホリックも多いと聞きます。
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頑張るという価値観よりも大切なもの

日本では汗水たらして『目一杯に努力する 』とが美徳とされていますが、ヨーロッパにはそのような価値観よりも、『少し余裕を持たせつつ、プライベートのバランスをとりながら働く』という価値観が根強くあります。

一見側から見ると『努力を嫌う人たち』と穿った見方で見てしまいがちですが、決してそんなことはなく、根底には、自分自身が参ってしまったら元も子もない、ストレスは必要以上に持つ必要がない、という自分も人もいたわる自然派志向からきています。

またそのような自己管理に対する意識も実は高くあり、瞬間的に頑張りすぎて感情的になったり、精神的に崩折れてしまうような脆さを評価しない考え方もあります。

小さな目的のために働く

ヨーロッパではロンドンやパリの一部の都市を覗くと、『働く』ということと『キャリア』が必ずしも一致していないことが多いです。

彼らにとって、『働く』ということは、『生活を継続させる』『収入を得る』という意味合いが強く、自己実現組織の中で上に登り詰めたいという上昇志向がない人もたくさんいます。

お金を得ることで、例えば、『休暇にいける』『子供にプレゼントを買ってあげられる』『数年後に車を買う』という日常のささやかな幸せを実現できるようになり、そんな一つ一つの目的に向かって毎日職場に行っている人もたくさんいるのです。

そういう目的意識の中で働くと、仕事への向き合い方はどうなるかというと、以下のような感じになります。

  • 地域密着型(家族がいるところで仕事を見つける)
  • キャリアアップよりも同じタスクを繰り返す安定(新しい仕事を覚える時間を使いたくない)
  • 改革よりも現状維持(改革に伴う変化が煩わしい)
  • 定時出社定時帰宅(ディナーの時間も決まっている)
  • 休暇重視(年間の休暇スケジュールを年始に考え出す)
ここまでの流れは理解できますが、マネージメントからすると咄嗟の対応を依頼したり、社内改革がしづらい空気にはなりますね。
オペレーションのように同じ業務を安定的にやってもらうには最適ですが、柔軟な対応が求められるプロジェクトやストレス負荷がかかる仕事は難しそうですね。

プライベート重視

小さな目的は全て自分や自分の愛する家族の為、つまりプライベートが重視される生活スタイルになります。

そのような家族重視・プライベート重視・日常の幸せ重視の考え方において、「単身赴任」や「キャリアアップのための転勤」や「週5で夜中まで残業」、「土日も出張」なんていうコンセプトはほぼシャットアウトされます。

毎日家族の笑顔を見たいがために、そこまで好きでもない仕事に携わっているのに、さらに一人で生活することになるなど考えられないという感じです。

会社の方針は自分のできる範囲内で

とはいえ、会社にも売上目標があったり、緊急に対応しなければいけない問題があったり、と柔軟な対応を迫られたり、スピード感を求められる場面もたくさんあります。

そんな時、ヨーロッパでは、身を粉にして何が何でも死ぬ気で達成するという日本的な姿勢ではなく、あくまでbest effortベース”で自分ができる最大のことを淡々とし、それ以外は、できないなりにベターな状態を提供する、という方法で対応します。

これはできるけど、これはきっと難しい、でもこれは今日できなくてもそこまで大きな問題ではない、これが今一番重要だ、と瞬時に優先順位をつけてできるところまで対応する、というようなやり方です。

何が何でも上司に言われたことを今日中に片付けなくてはとパニックになってしまう日本の環境とは少し雰囲気が異なるようです。
そういう考え方も健康的に聞こえます。実際のビジネスを目の当たりにしてどこまでそう思えるかはわかりませんが真似すべきところも多そうです。

まとめ

ヨーロッパの働き方というのは、会社ありきの日本の働き方と比べて個人のスタンスに重きが置かれていて、無理をしすぎないという良さがあります。

当然、ヨーロッパの会社の顧客もヨーロッパ人であり、会社が顧客や社会に提供しているサービスとその期待値が日本とは異なるので、どこまで当てはまるかは疑問ですが、日本でも、もう少しヨーロッパ的な肩の力を抜いた『脱力的働き方』が浸透しても良さそうです。

 

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