海外転職を試みようとしている人は、まずどの転職エージェントに登録をしたら良いか、ということを考えると思います。
海外転職エージェントは、日本にある大手エージェントから、グローバル展開をしているエージェント、外資系のエージェント、各国に特化したその国限定のエージェント、エグゼクティブエージェント、こじんまりやっている個人経営系のエージェントなど様々なエージェントが存在します。
情報がありすぎて何を基準にエージェントを選べば良いかわからないという人に、今回は海外転職の際の良いエージェントの選び方をご紹介します。
行きたい国にあるエージェントが有利
まず注目すべきは行きたい国にあるエージェントの方が情報面で有利ということです。
つまり海外の募集に関しては、一般的に、日本のエージェントよりも、海外エージェントの方が現地情報を多く保有しているということです。
現地情報とは、その募集案件のみならず、雇用関係、休暇制度、ビザの取り方など、面接では会社に直接聞きづらいような現地特有の勤務体系などを教えてくれる場合があります。
ただし、日系企業の海外拠点で働きたい場合は、本社案件として、日本にいる時点で募集をかけているケースもありますので、日系の転職エージェントにも良い案件が入っている場合もあります。
エージェントの規模は大きい方が良い
大手の転職エージェントというのは、営業に人もお金もかけていて営業力があるところも多いため、案件の数が多いです。
一つのポジションがダメだとしても、一度に3−4件の案件を紹介してくれるところもあるため、仕事が決まるスピードが早いです。
こじんまりと一人二人でやっているところは、メールをしても返事がないことがあったり、一つの案件がダメだと次の案件を紹介してくれるまでに時間がかかったりします。
これは候補者のプロフィールによるところもありますが、エージェントが保有している案件の数にも大きく比例します。
エージェントの専門分野を確認する
転職エージェントには、大手エージェントのように総合的に様々な分野を各担当者に振り分けて対応するエージェントと、ある分野に特定してサービスを提供するエージェントと一般に来る案件をなんでもこなそうとするエージェントの三通りあります。
大手系は履歴書を送ると自分の専門分野の担当者が連絡をくれて、システマチックに物事が進んでいきます。大手ゆえに企業からの信頼も厚く、大手企業案件をたくさん持っています。
専門分野のあるエージェントは外資系のエージェントに多く、例えば金融とIT分野のみ、または金融バックオフィスのみなどと専門性を謳っています。または、エグゼクティブのみ、というエージェントも増えています。ピンポイントで専門性のある仕事を紹介してくれるため、より適正に合う仕事に出会える可能性があります。
3番目の一般エージェントには海外にある日系の転職エージェントが当てはまるケースが多いです。手持ち案件としては、日系企業の海外拠点の営業職・アドミニストレーター・経理職・クライエントサポートなどが多く、マネージャー職や専門性の高い技術職やハイクラスの金融職は稀です。
情報の取り扱いの管理ができているか
情報の取り扱いに関しては、案件情報に関してと、候補者情報の二つの面から言えます。
案件情報に関しては、きちんと信頼できる情報を提供してくれる会社かどうかが大事です。ウェブサイトや広告に出している案件が実際の案件ではなく、おとり案件という場合もあります。候補者が連絡した途端に「あの案件は終わりましたが、別のがちょうどあり・・」と売り込みたい案件を出してくる、というやり方です。
自分の人生を他人に操作されているかのような印象ですね。
候補者情報に関しては、昨今ではユーロ圏内ではGDPR(General Data Protection Regulation)なども導入され、個人情報の取り扱いに関してはより厳しく管理することが求められるようになりました。
転職エージェントもより注意深く対応しているように見受けられますが、一部のエージェントでは候補者の情報を候補者に承諾もなく企業に前のめりで話していたり、過去の候補者情報をいつまでも社内ネットワークに管理していていつまでも削除してくれないため数年後突然連絡が来たりと、一体どんな管理をしているのだろう?と疑問に思うような、管理がずさんな印象がある企業もあります。
誠意のある転職エージェントは、登録時に「私たちは候補者の許可なしに企業に履歴書を転送することはありません」と伝えてくれます。
また企業とのマッチングの際も、突然履歴書を送付するのではなく、名前を伏せてプロフィールを伝えて企業側が興味を示したら履歴書を送るという段取りを取りますと伝えてくれるところもあります。
不安な場合は、やはり転職エージェントに対しても情報の管理は徹底してもらうよう依頼し、利用しないエージェントには履歴書削除依頼を出すのが無難でしょう。
アドバイスの質が良いエージェントを選ぶ
転職エージェントは案件とのマッチングを淡々と行うだけではなく、候補者のプロフィールと希望に沿った案件を紹介する仕事です。
転職エージェントが、自分が行きたい分野の仕事内容をきちんと理解し把握していること、はとても重要です。例えば、担当者によっては、経理部門や金融で働いたこともなく売掛金や買掛金(*経理用語です)が何かもわからないまま経理の仕事を紹介していたりということもまれにあります。
候補者としては、企業につないでさえくれれば良いのですが、自分の分野を理解してもらえないと適正にあった案件を取りこぼしているのではと不安な気持ちにもなります。
また、ポジティブに案件及び転職をサポートしてくれるエージェントを選びましょう。ネガティブトークが得意な担当者も困りものですが、一定数いることは確かです。
転職をする方は人生の一大事と決めて、自分の夢や希望を叶えようとコンタクトしているわけですが、エージェントの中には、候補者のプライベートにズケズケと入り込んで余計なアドバイスをしてくる人や、希望を伝えても海外に出ること自体辞めておいたほうが、などと大きなお世話としか思えないアドバイスをしてくるような人もいます。
「海外に出たいのであれば国際結婚が早いですよ。なぜ結婚しないのですか?」とセクハラまがいのコメントもあったりするようです。注意!
ただでさえ緊張を強いられる転職というイベントに、余計なストレスは不要です。 また、候補者のことを、人としてではなく、お金として見ている担当者もいます。
転職エージェントは、候補者の転職をサポートすることで成り立っている仕事です。ですので、転職してもらわないことにはビジネスが成り立ちません。あまり興味ない案件でも、無理たり焚き付けて何が何でも転職させようとする担当者にも注意したほうが良いでしょう。
なんだかんだ言って評判の良いエージェントに案件が集まる
なんだかんだ言って、評判の良いエージェントには良い案件が集まります。
転職エージェントの中には、企業に愛想よく、候補者に偉そうな態度をとるところもありますが、それでは長期的に良い候補者は集まりません。
企業も人ですから、良い候補者が集まらないエージェントは利用しなくなります。そのため、長期的には、候補者にとって評判の良いエージェントは企業にも良いエージェントという図式が成り立ちます。
まとめ
良い転職エージェントを見分けるのは大変ですが、少し話してみて感じ悪いな、疲れそうだなと思ったらさっと引くことが賢明です。
企業も一つの案件に対して、複数の転職エージェントを利用している場合も多いので、他のエージェント経由でも同じような案件が見つかる可能性も高く、一つのエージェントに執着する必要は全くありません。
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