海外就職をする際に、選択肢として日系の会社に勤めるか、現地の会社に勤めるかということがあります。
せっかく日本を飛び出してきたのに、また日本文化の中に浸かるのは気が引けるという人もいるかもしれません。
または、日本人であることや日本語を生かして仕事をしたいという人もいるでしょう。
どんな働き方をしたいかの自己分析が必要ですね。
そこで今回は、海外で日系企業に勤めるメリットとデメリットをご紹介します。
日系企業で働くメリット
日本語が生きる
海外で日系企業に勤めるメリットは、何と言っても日本語を使うことができるということです。
日本語が使える、日本文化に理解がある、日本人であるということは、採用する側の日本人マネージャーの方に大きな安心感を与え、また日本との連絡や現地の人との英語でのコミュニケーションも任せられる良い潤滑油になると考えてもらえます。
駐在員の日本人マネージャーは英語が得意ではない人も多く、現地の人とのコミュニケーションにストレスを抱えている人もたくさんいます。そんな時に海外経験や英語ができる現地採用の日本人が間に立って話をまとめてくれると重宝されることは間違いなしです。
日本人マネージャーと良い関係を築くことができたら、現地採用であっても昇進のチャンスもなくはありません。
安定感がある
日系企業は雇用に対して慎重であり長期的視野を持っているため、現地採用であっても一度採用した人を簡単にクビにしようとはしません。
もちろんパフォーマンスにもよります。
いつクビになるかわからない環境で働かなくてはいけない状況はストレスにもなるため、雇用が安定している事は大きなメリットです。
休暇が取りやすい(駐在員に比べて)
また、現地採用ということは現地の雇用契約になるため、日本の休暇制度に縛られず休みを多く取ることができます。
ヨーロッパであれば30日近くの休暇があり、現地の制度では休暇を取る義務があるため、日系企業であっても社内には休暇を取りやすい雰囲気があります。
日系企業で働くデメリット
安く使われるケースがある
海外の日系企業で働くデメリットは、いくら日本語が話せて日本文化に対する理解などがあり重宝されたとしても、多少安くてもオファーを受けるだろうと考えられているために安くこき使われることがあることです。
海外に住みたい願望があり、外資系企業への転職も難しいとされているため、足元を見られていることもありますね。
また日系の海外支店や現地法人はコストを抑えた運営をしているところもあり、日本人であっても外人であっても高い給与や高額ボーナスは望めないところがほとんどです。
長期的に同じポジションに配属される
そのため、仕事のロテーションが全くなく、同じ部署で同じ仕事に10年、20年と携わっている人も多くいます。
他部署への異動は希望を出しても通らないことが少なくありません。
これは文化的なことより規模的なことも関係しています。
ロンドンやニューヨーク、シンガポールや香港などの大都市であれば2000人規模の現地法人や海外支店もありますが、ヨーロッパ大陸では規模的にも200−300人スタッフがいれば大規模とされ、メーカーの販売会社であれば50−100人やそれ以下と規模感というところもあるでしょう。
小規模の会社ではローテーションというのは滅多に行われません。
さらには海外拠点の管理はその都度派遣される駐在員に任されていて日本の人事部の統括下にないということも理由の一つとしてあげられます。
誰が責任を持って面倒を見てくれるかわかりづらいんですね。
スタッフの成長にはきちんとした人事制度がある事がとても大事な事がわかりますね。
待遇に駐在員との差がある
また駐在員と現地採用という区切りが明確にあるために、大事な仕事は駐在員、雑務は現地採用という見えない仕分けがされている場合もあります。
外資系の企業では、昇進がない・他部署への異動がない・給与が低すぎるなどの話はそこまで聞きませんが、日系企業の現地採用の雇用では頻繁に聞く話です。
何が異なるのかというと、やはり現地法人における現地採用スタッフを教育するシステムの不在や人事部の不在が大きい原因と言えるでしょう。外資系の企業では駐在員と現地スタッフを差別することなく昇進や給与に関しては実力に応じたものを提供してくれるところも多くあります。
日系では、「現地採用」という契約形態になったとたん、社内で誰も面倒を見てくれないカテゴリーに入れられてしまう、という悲しい現状があります。
まとめ
日系企業に勤めることは、メリットとデメリットが同じくらいあります。
自分にとって何が大事なポイントかを見極めて転職活動をすることをおすすめします。
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